DIとは、Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、現況や先行きの見通し等についての定性的な判断を指標として集計加工した指数であり、経済指標等において広く活用されている数値です。DIの長所は、時系列で動きを見る際、それぞれの選択肢の回答数をみていては煩雑になるところ、DIにするとデータの動きを一目で把握できる点にあります。
このようなDIを活用した著名なものには、景気動向指数・景気ウォッチャー調査(内閣府)、鉱工業指数(経済産業省)、短期経済観測調査(日本銀行)、県消費者物価指数・県鉱工業指数(各都道府県)等があります。
不動産市況DIとは、「不動産に関するいくつかの判断項目について、現況や先行きの見通し等についての定性的な判断を指標として集計加工した指数」ということであり、端的には、不動産に関するプレーヤーに「地価動向」や「業況」等についてのアンケート調査を広く行って、その回答内容を統計的に数値化したものです。
当調査におけるDIは、各判断項目について3個の選択肢を用意し、選択肢毎の回答数を単純集計し、全回答数に対する選択肢の回答数の構成比率を求め、次式により算出しています。
DI = (第1選択肢の回答数の構成比率) - (第3選択肢の回答数の構成比率)
【DI算出例】
ある地域における特定の市況についての判断を問う質問において選択肢が①上がる、②横ばい、③下がる、の3つあり、回答が下表のような場合、
市況判断DIの算出方法は以下のとおりとなります。
市況判断DI = 35% - 40% = ▲5ポイント
上記の場合、上昇傾向と答えた比率から下落傾向と答えた比率を差し引いて求めるわけですが、算出された数値がゼロを超えていれば、回答者は市況に対して前向きな考えを持っていると言うことができます。またDI調査においては、1つの項目について基準日における実感だけでなく、次期の見通しについての回答も得るため、現在の実績値だけでなく将来の予測値をも同時に算出することになります。
富山県不動産市況DI調査は、富山県内の不動産市況を的確に捉えるため、毎年3月1日、9月1日を基準日とし、半年前の不動産市場の推移に関する実感と、半年後の不動産市場の動向に関する予測について、公益社団法人富山県宅地建物取引業協会が会員に対しアンケート調査を実施し、一般社団法人富山県不動産鑑定士協会が集計、分析しているものです。
当該調査が不動産関連業界、関係機関をはじめ、広く県民の皆様にご利用いただける指標となれば幸いです。